『スカイ・クロラ』観て来ました

 空中戦以外に引っ掛かる所は無いだろうと思っていたら、意外な伏兵が。
 以下ネタばれありです。
 少しは世間におもねる作品にはなっているものの、当然の事ながらやはり監督色が色あせることはなく、正直言って自分向きの映画ではありませんでした。
 しかし、画面に漂う息遣いから目をそらすことは遂にかなわず、結局は最後の最後まで付き合わされる羽目になったのでした。この辺りが監督の職人的才能というか技なのでしょう。
 鑑賞にあたっての第一の動機だった空中戦については、これはもう、文句を言う奴がいるのかと思うくらいに見せ場として十分でした。たぶん実際に飛行機を作って撮影するよりも現実感のある物凄い場面になっているので、是非とも音響の良い映画館で体感してほしいものです。方々で書かれている通り、ガキャガキャと連発される機銃の音や鉄板が撃ちぬかれていく音が場所と密度で変わっていくところなど、空中戦で死ぬことの痛さや辛さや無常さが音でも映像でも伝わってくるスゴイ場面になっています。
 で、そんな空中戦でしか死ぬことの出来ないキルドレという存在を通して「大人になるとはどういうことか」みたいなことが問いかけられているようなのですが、すいません、そういうところがわからない、そんな愚鈍な私なんです。繰り返しの輪の中から抜け出ようとしてティーチャーに戦いを挑んだのなら、「それだけでは、いけないのか」といった独白とは少しだけ矛盾するような行動にも思えるのですが。
 それでも、「君は生きろ」とかで泣けてしまえたのはキャラクターの存在感に感情移入を阻む隙が無かったからで、皆さんが自己投影をしやすい設定も手伝って観易い作品にはなっていると思います。
 永遠に続く文化祭の映画を撮った監督がキルドレという題材を得た時点で勝ったも同然だったのかもしれませんが。
 あ、司令官の娘も良かったです。


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