『鋼鉄都市』を読了

 といっても、あかね書房『少年少女世界SF文学全集1』の方なので偉そうなことは言えません。

 そもそも、小学生のころ、学校の図書室で借りた同じあかね書房のミステリー物の方の装丁にエライしびれて、そういうかっこいいデザインで家の本棚も埋めたくて買ってはみたものの、自分の想像する「K」みたいなロボットが出てくる話ではなかったため、冒頭数ページで読むのをあきらめた長年地層の下に埋まっていたままになっていたものが、例によっていつもの表層雪崩で発掘されたというわけです。
 それでもその時は「また古いもん(1978年12月5日第12刷)が出てきたなぁ」とかっこいい装丁を手に取って眺めただけで、再読してリベンジを図ろうなどとは思ってもみなかったのですが、今日、たまたま表紙をめくってみると、物凄くクールな口絵が目に飛び込んできて、ふとみれば「さしえ 篠原勝之」となっていて……
「えっ!くまモン?いや、クマさん!?」
と驚いたのが運のつき。短文でありながらも名分の福島正実による「はじめに」を読んだが最後、一気に最後まで読み進めてしまいました。

 もちろん、無駄なく簡潔に、しかも感動的な部分は残したまま訳されているであろう少年少女(少女!)向けの名訳のおかげでもあるのですが、物語自体が単なるロボット刑事ものでなく、原題の『THE CAVES OF STEEL』が意味する「人類が自らの進化を遮るを鋼鉄の檻を打ち破る」話でしたので、SF文学と銘打たれているわけに納得の面白さが頁をめくらせていたのでした。

 しかも、大上段に言説を振りかざさず、物語自体はミステリー物の形で進むのですから最後まで興味が途切れるはずもなく、本当に洗濯機を回しているあいだに読み終えてしまいました。
 あの頃挫折した俺、いったい何を読んでいたんだ。

 そして、ありきたりかもしれませんが、心が弱っている自分にはグッとくるあのラスト。
 本を読んで泣いたのは久しぶりのような気がします。

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